中国拳法各門派の特徴
各門派により応敵法(攻防のしかたや間合いの取り方など)がそれぞれ異なりますが、日本の武道ではあまり使用しない「換手」については多くの門派で使用します。(「換手」は攻撃又は防御で触れた敵の腕を、もう一方の手で封じつつ攻撃を行います。)
当支部で指導する主な門派の特徴は次のとおりです。
- 蟷螂拳
- 「蟷螂手」という独特な手形と、「換手」技法を多用した手技の連続に、「楸腿」や「掃腿」を始めとした多様な蹴り技をおり交ぜるなど、拳脚のコンビネーシュンにより攻防を行います。跳躍して空中で360度回転する「旋風脚」などの動作が大きな蹴り技も使用します。中距離での攻防が主体です。
- 永春拳
- 自己の間合い(制空圏)に入った敵の攻撃(拳脚)をたたき落とした状態から、すかさず緻密な手法を用いて、目や喉や金的などの急所に、一気呵成に様々な角度から連打を打ち込みます。手技による攻防が主体で、蹴りは腰から下に低く鋭く用います。近距離での攻防が主体です。
- 八極拳
- 肩等での体当たり(靠撃)や肘打ちなどを多用します。敵の攻撃を払いつつ、飛び込みざまの強大な一撃により敵に大きなダメージを与えます。打ち込む際は腰の回転と重心の移動により、体幹から横へ振り出すように威力を送り出します。
- 形意拳
- 跟歩と称する独特の歩法を使い、ジグザグに移動しながら、敵の攻撃を未然に封じつつ、極めて接近した状態から突き刺すように打ち込みます。意識や呼吸、重心の移動など様々な要素を統合しつつ、背中から縦に威力を送り出します。
※関連して、上記以外にも太極拳や八卦掌、鷹爪翻子拳、日本古武道(柔術・剣術)などの指導も行います。